土地相続対策


攻めの収益、守りの物納対策。資産の内、土地の占める割合が多い場合、この基本対策を行っていれば、インフレ・デフレは怖くありません。

 インフレが危険な資産内容は、インフレに対応する不動産が少ない場合です。現在、預貯金で金納できると安心していても、現金程度ではインフレに対応できません。売却または物納できる不動産で納税の対処が肝心です。

 デフレは現金が有利であることは周知のことです。現在のようにデフレの長期化と低金利が続くと現金を活用したくなるのが人の性でしょう。また、現金・預貯金の活用の勧誘が多々あります。

 そこに資本主義の罠が潜んでいるのです。罠にかかるか、罠にかかっている獲物を得るか、また、罠を回避するかは、あなた次第でしょう。

 はっきり申し上げます。土地活用、アパート・マンション経営等言葉は様々ですが、素人が手がけて成功するものではありません。その他投資は博打的要素がどのくらいあるかを理解することでしょう。

 お客様も手がける会社も勝ち組になれるのはインフレ時代であり、デフレ時代でお客様を勝ち組にするには手がける会社が薄利または赤字で貢献できる場合です。

 時代はデフレ、将来の家賃収入は徐々に、或いは、一定期間後急激に減少する競争市場です。しかも、経年と共に修繕費が必要、租税は減額どころか増大方向、借入金利は市場におまかせ、将来的に収入が増える見通しなど全くない時代だと思います。

 適度な節税を行い、納税に余裕を作ることこそ、円満な土地相続対策に繋がることだと言えます。一番大切なことは、【対策のパートナー選び】です。
 

☆経済変化と相続税の納付方法
  
  

相続税の課税対象者は、財産の何割かを徴収されます。その何割かを物納(注1)できるよ
うに、 まず、納条件整備を整えることです。
なぜ、物納かというと、土地の場合、相続税評価額で納税できるから、予想納税の計算に
狂いが少ないからです。(注2)

 相続税は、例えば、資産100に対し35%の割合で税金を納める資産家なら、40%ぐらい
を納税(物納)用に保有(充当)することです。
そして、税率等の改正をチェックし、時代に応じて納税(物納)用の割合を調整すればよい
のです。 そうすれば、デフレ時代でも安心できる納税対策となるのです。(守りの相続対策)

 そして、残りの60%を、生活・収益財産とすればよいのです。 (攻めの相続対策 )具体的
には、インフレの時は物納より売却が有利です。相続税評価額より高く売却し納税する。但し、
譲渡所得税に注意が必要です。デフレの時は、売却より物納が有利であれば物納を選択する
ことです。

 また、納税(物納)用の割合を調整という意味は、時代によって、個別物件(Aの土地、C
の土地、株式等)の評価額が変動するため、その修正を余裕をもってしておくということです。例
えば、納税用の駐車場を20坪分増やしておく、配偶者が所有する予定の有価証券を納税用
に確保しておくとかです。

 最後に、収益対策として残り60%で組み替え等で収益性をアップさせれば良いのです。
これで、納税の安全と収益対策の双方を実現することが可能だということが理解できたと思いま
す。


【相続税節税に失敗した例】
「借入を起こしてマンションを建築すれば相続対策になる」
☆(例1)借入3億円で駐車場を路線価で購入した場合とマンションを購入した場合


現在
対策1



駐車場購入

対策2



マンション建築

駐車場
1億
1億
1億
駐車場購入代金
3億

マンション建築費

3億
合 計
1億
4億
4億

対策後の相続税評価は以下のようになります
路線価の権利割合60%、関西地区:借家権割合40%とすると
土地の評価額:7,600万円   1億×(1-0.6×0.4)
建物評価額:1億800万円   建築費3億円(3億×0.6×0.6)
負債:3億円


現在
対策1



駐車場購入

対策2



マンション建築

駐車場
1億
1億
7,600万
駐車場購入代金
3億

マンション経営

1億800万
合 計
1億
4億
1億8,400万
負 債
-3億
-3億
相続税評価額
1億
-1億1,600万


節税効果なし
節税効果あり

計算上は正しいが、なぜ失敗したのでしょうか。
@根本的なことはデフレ政策により、借入金額の価値とデフレ後の資産価値(家賃・土地・建物金額)のバランスが崩壊し、借金の価値が増大した結果となり、さらに、価格競争や新築物件との競争に煽られ敗者となり返済が困難となったからです。
A1円も相続税を払いたくないとリスク回避をしないで多額の借入をしたこと。
B事業計画そのものが誤算であるか、偽りのものである。
Cもともとの競争力があまりなく、「空室」が予想以上に増えてきたという物件もあり。
Dインターネットが普及したことにより、お客様自身が相場価格を調査できるようになり、安い物件を探すことができるようになった。また、業者の価格査定として、自動車のように年数での査定価格が取り入れられている為、古い物件の賃料が下がったこと。

(注1)  納は、金納・延納・物納という納税順位の中で最終順位です。金納や延納ができる 場合は、物納の許可はされません。
(注2)売却金額で納税充当金を予想した場合、不動産業者しか購入しない事業用物件の売却相場は地域によって異なりますが、路線価 (相続税評価額)の70〜80%の金額が相場となっています。路線価より遥かに低い金額です。これは住宅用地に開発する場合、役所に対して開発負担金の支払や公園や位置指定道路で住宅地にならない土地があることや側溝の整備と完成宅地にするための費用がかかるからです。完成宅地で路線価程度にしないと、銀行融資で購入できなくなるからです。


☆現金1億円の組み換え効果
 収益物件を購入した場合

購入価格
相続税評価額
購入後の評価額
土 地
4,000万円
3,040万円
路線価による上下
建 物
6,000万円
2,160万円
3年毎に評価換え
合 計
1億円
5,200万円

相続対策として、非常に効果がある。但し、全体のバランスチェックも必要です。 相続対策だけでなく、ペイオフ対策や将来の年金対策にも有効です。

☆失敗しないために
 節税としての収益物件を借入で取得することさえ間違わなければ、他は「財産ドック」をしておれば、失敗 ありません。土地の物納における落とし穴は、測量対策です。隣人と喧嘩していては、境界の同意を得られません。物納用測量は、物納の実務経験がないと適切な測量ができません。